こんにちは、ルトです。
人事として日々学生の皆さんと関わる中で、あるとても印象的なエピソードがありました。一次面接で不合格となった学生から、ずっしり重く心にのしかかる相談の電話が入ったのです。
「緊張で本来の力が出せなかったので、もう一度チャンスをいただけませんか?」
……あの日、言葉を失いました。
面接は「本番」であり、「一発勝負」なんです
私自身、入社前は緊張型の性格でした。ただ、人事としての経験を積む中で気づいたのは、仕事では”緊張した”という理由だけではどうにもならない—という現実です。
プレゼンで緊張して言葉に詰まり、その場で「もう一回いいですか?」なんて言えるはずがありません。
商談で頭が真っ白になっても、「許して、もう一回やらせて」などとは言えないのが社会です。
就活はその前段階として、”社会人としての震える初の本番”とも言える場です。緊張は悪いことではありませんが、そこでの対応の在り方がその先に影響するのは本当です。
【ルトが断言】緊張状態での「切り返し」が評価される理由
採用担当者は、あなたの緊張した姿を見て、「可哀想だな」と思うだけでなく、「この緊張状態が、入社後の緊急事態と重なった時、どう対応するか」という視点で評価しています。
企業が緊張状態のあなたから見抜きたいのは、以下の2つの能力です。
1.リカバリー能力(ミス後の立ち直り)
緊張で言葉に詰まったり、言い間違えたりした直後の「数秒間の行動」が重要です。
- 評価される行動: 「申し訳ございません、言い直します」と、簡潔に謝罪し、結論から話し直す。
- NG行動: 「緊張しすぎてしまって…」と、言い訳から入る、または視線をさまよわせる。
私たちは、ミスをしても、それを引きずらず、すぐに適切な行動に切り替えられる「精神的な切り返し能力」を見ています。
2.プレッシャー耐性(感情の制御力)
仕事で予期せぬトラブル(例:システムダウン、クライアントからのクレーム)が起きた時、感情的にならずに、冷静に情報を整理し、論理的に対応できるかが、入社後に求められます。
面接の緊張状態は、そのプレッシャー耐性を試す場です。緊張していることを正直に認めるのは構いませんが、その上で論理的な回答をやり遂げる姿勢を見せてください。
でも、「緊張=悪」とは限らない
もちろんです。緊張していいんです。それは、本気だからこそ生まれる現象です。私もどうしたら“力を出せるか”をいつも模索していました。だからむしろ、「緊張できる自分であること」は、前向きな要素とも言えます。
ただ、「緊張したからって別の日にやり直す」は…残念ながら社会では通用しません。むしろ、“言い訳”に聞こえてしまうこともあります。
今は”売り手市場”と言われ、学生が優位な時代…だからこそ、”自立できる人材”であることを求められている時代なんです。
実際にあった「やり直し希望」の電話エピソード
その学生さんは、落ち着いた口調で「緊張して…」と話した後、深いため息をついてこう言いました。
「今さらですけど、もう一度チャンスはないでしょうか…」
私はしばらく黙って、ひと呼吸おいてゆっくり伝えました。
「うちの会社では、面接はその日の“自分を表現する場”です。もしまたリベンジの機会が欲しいなら、ぜひ準備してもう一度応募してください。今日の日の経験は、次につながりますから。」
その言葉に、彼がどれほど救われたか。その後、彼は再挑戦して別の企業から内定を獲得しました。この経験は私にも、「失敗を新たなスタートにする人を応援したい」という想いをさらに深くしました。
面接に向かう心の備えとして「緊張」とどう向き合う?
緊張を完全に消すことはできませんが、「緊張していても、面接官に実力は伝わる」ようにするための、具体的な心の備えと行動をリストアップします。
- 沈黙を恐れない切り返し: 緊張で頭が真っ白になったら、「申し訳ありません、一度落ち着いて考えをまとめます」と正直に伝える勇気を持つ。沈黙を許可制にすることで、パニックを防ぎ、会話の主導権を確保できます。
- 失敗の「着地点」設定: 一番話したいエピソード(強み)だけは、結論と根拠を完璧に頭に入れる。もし途中で緊張して言葉に詰まっても、結論だけは言い切ることを目標にします。
- 面接官の視点に立つ: 「面接官は私の敵ではなく、私という商品を買ってくれるお客様だ」と理解する。「緊張してすみません」ではなく、「この緊張を乗り越えて、良い回答を届けよう」という意識に変えましょう。
面接官も「人間」です
「緊張したから…」という言葉は、本人の素直な気持ちです。その正直さは決して”甘え”ではなく、実際に人事にも響きます。私は学生に言いました。
「緊張は伝わるから、大丈夫。次は今の経験を活かして自信を持って挑めばいい。応援しています。」
その言葉で彼女が本当に救われたと、後から先生から聞きました。
まとめ:緊張も含めて、その日すべてがあなたの面接です
- 面接は「一発勝負」、やり直しは原則できない世界です
- 緊張は悪ではなく、むしろ“本気の証”
- 大事なのは「失敗をどう活かすか」
- 面接官も人間として、その姿勢を見ています
次の面接は、「緊張しても自信を持って挑んだ」日のことを、胸に刻めますように。

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