こんにちは、リクです。
就職活動や転職活動をしていると、多くの人がついチェックしてしまうのが「クチコミサイト」。
- 「社員のリアルな声が載っている」
 - 「実際の残業時間や年収がわかる」
 - 「人間関係や社風が見えてくる」
 
そんなふうに思えるからこそ、学生や転職希望者にとっては便利な情報源に見えるんですよね。
でも、採用担当の立場から率直に言うと、クチコミサイトは「使い方を間違えると危険」なツールです。
今日はその理由と、どう付き合えば賢く活用できるのかを、リクの目線からお伝えします。
そのクチコミ、誰が書いているの?
まず冷静に考えてほしいのが、「そのクチコミを書いている人は誰なのか」という点です。
多くの場合、書き込むのは 会社に強い不満を持って辞めた人 です。
感情が爆発して、
- 「俺はこんなにひどい目に遭った!」
 - 「あの上司は最低だった!」
 
といったレビューを書くケースが多いんですね。
もちろん、それ自体が嘘だとは言いません。実際にその人にとっては本当に嫌な経験だったはずです。
でも、それが 会社全体の真実かどうか は別問題です。
たとえば同じ部署にいた別の社員は、全く同じ上司のことを「面倒見がいい人」だと感じているかもしれません。
つまり、クチコミにはどうしても「主観」や「感情のフィルター」がかかるんです。
「上司が冷たい」という言葉の裏側
よくあるコメントに「上司が冷たい」「全然面倒を見てくれない」といったものがあります。
読むと「なんてひどい会社なんだ!」と思ってしまうかもしれません。
でも採用担当として社員の退職理由をヒアリングしていると、こんなこともありました。
- 「毎日のように遅刻を繰り返していた社員を注意した」 → 「上司が厳しすぎる」とクチコミ投稿
 - 「指示を出したのに実行されなかったので再度伝えた」 → 「パワハラまがいの説教をされた」とクチコミ投稿
 
要するに、書き手の立場や状況によって見え方は大きく変わるということです。
その一言コメントの裏側に、どんな背景があったのかまでは読み取れないのがクチコミサイトの難しさなんですよね。
クチコミが多い=悪い会社ではない
もう一つよくある誤解が、「悪いクチコミが多い会社=ブラック企業」だと思ってしまうことです。
確かに、クチコミの大半がネガティブだと不安になりますよね。
でもここには大きなバイアスが隠れています。
- 有名企業や大手企業ほどクチコミ数が多い
 - 辞めた人が多い=母数が大きいので、悪い声も目立ちやすい
 - 一方、知名度の低い企業や社員数が少ない企業は、そもそも投稿がほとんどない
 
つまり「クチコミが多い=悪い会社」とは限らないんです。
むしろ「投稿数がゼロに近い」会社のほうが、情報がなくてリスクが読めない場合もあるんです。
ポジティブすぎるクチコミは逆に怪しい?
「社内最高!」 「福利厚生が神!」
そんなキラキラしたクチコミばかりが並んでいる会社も、要注意かもしれません。
もちろん、本当に良い会社で社員が満足している可能性もあります。
ただ、現実の会社にはどこにでも多少の不満はあるはず。
にもかかわらずポジティブな意見しかない場合、
- 自作自演で投稿している
 - 社員に「良いことを書いて」と依頼している
 
そんな可能性もゼロではないのです。
だから「ポジティブ一色」なクチコミも、額面通りには受け取らないほうが安全です。
採用担当として見えているクチコミの限界
私は採用担当として、実際に学生や求職者から「御社のクチコミが○○だったんですが…」と質問を受けることがよくあります。
そのときいつも感じるのは、クチコミは事実の一部でしかないということです。
- 書き込む人は全体のごく一部
 - 書き込む動機は「強い不満」か「強い満足」のどちらかに偏る
 - 中間層(そこそこ満足している普通の社員)はわざわざ書かない
 
だから、実態は「静かな多数派」の声が抜け落ちているんです。
これがクチコミサイト最大の限界だと思います。
じゃあ、どうやって情報を集めるべき?
じゃあ「クチコミは全部無視したほうがいいのか?」と言うと、そうではありません。
あくまで 参考材料の一つ として使うのが正解です。
具体的には、こんな活用法をおすすめします。
- 複数のクチコミサイトを横断的に見る
 - 特定のワード(「残業」 「人間関係」 「昇進」など)を拾って傾向を確認する
 - 不満の声が偏っていないかチェックする
 
さらに、それを裏付けるために 一次情報を取りに行く ことが重要です。
- 会社説明会で社員に直接質問する
 - OB・OG訪問でリアルな体験談を聞く
 - インターンシップで実際の働き方を体感する
 
これらの情報のほうが、よほど信頼できます。
H2:私が出会った「クチコミに惑わされた学生」
最後に一つ、印象に残っているエピソードを紹介します。
ある学生が「御社はブラックだとクチコミに書かれていたので受けるのをやめました」と説明会の途中で帰ってしまったことがありました。
正直、そのクチコミは事実と全く異なるものでした。
確かに当時は残業が多かった部署もありましたが、改善が進み、今ではむしろ業界平均より短いくらいになっていたんです。
でも、その学生は「ネットの声」を信じてしまった。
結果として、自分に合うかもしれない企業を候補から外してしまったのです。
このとき、「クチコミを鵜呑みにする怖さ」を改めて痛感しました。
まとめ ― クチコミは“参考”でしかない
- クチコミは「感情のフィルター」がかかった情報
 - ネガティブに偏りやすい
 - ポジティブ一色の会社も逆に怪しい
 - 本当に信頼できるのは自分が直接見聞きした情報
 
クチコミサイトは決して無駄ではありません。
でも、信じすぎると判断を誤る可能性が高いのです。
就職活動・転職活動において一番大切なのは、やっぱり 自分の目と耳で確かめること。
説明会、OB・OG訪問、インターン…。それらの「生の声」に勝る情報源はありません。
クチコミサイトはあくまで「暇つぶし」や「話のネタ」くらいの感覚で。
自分の未来を決めるときは、ぜひ一次情報を信じてください。
  
  
  
  

コメント