「自己PR」と「志望動機」、混同していませんか?
こんにちは、ルトです。私は採用担当として、毎年たくさんの学生さんのエントリーシートや面接を拝見しています。
その中で本当に多いのが、「自己PR」と「志望動機」の違いがあいまいになってしまっているケース。
「どっちも自分のことを書けばいいんでしょ?」
「志望動機に自分の強みも入れればいいんじゃない?」
…そう思っていませんか?
残念ながら、それだと通過率はグッと下がります。
今日は、私が実際に学生さんを見てきた経験も交えて、「違い」と「企業ごとにどうカスタマイズすべきか」をじっくり解説します。
自己PRと志望動機の違い:採用担当はここを見ている!
まずは整理してみましょう。
自己PR
- 意味:自分の強みや人柄を伝える
- 視点:自分 → 自分
- 内容:「私は〇〇が得意です」「△△の経験があります」
- ゴール:自分という商品を売り込む
志望動機
- 意味:なぜこの会社で働きたいのかを伝える
- 視点:自分 → 会社
- 内容:「なぜこの会社なのか?」「入社後に何をしたいのか?」
- ゴール:応募先とのマッチ度と熱意を示す
例えるなら…
- 自己PR = 「この唐揚げは衣がサクサクで冷めてもおいしいんです!」
- 志望動機 = 「だから、この唐揚げは家族の夕食にピッタリ!」
つまり、自己PRは“自分の強み紹介”、志望動機は“だから御社を選びました”という流れなんです。
採用担当が「残念だな」と思う自己PRと志望動機
実際の選考でよくあるNG例を紹介します。
自己PRのNG例
「協調性があります」「体力に自信があります」
➡ 抽象的すぎて、どんな場面で発揮されたのかが見えません。
志望動機のNG例
「御社の理念に共感しました」「成長できそうだから志望しました」
➡ どの会社でも使える文章。“あなたじゃなくてもいい”と思われてしまいます。
実際、同じような内容のエントリーシートが何十枚も届くと、正直「またか…」と感じてしまうのが採用担当の本音です。
どうすれば伝わる?カスタマイズのコツ
では、どう直せばよいのでしょうか?
自己PRのカスタマイズ例
営業職を志望する場合:
- NG:「私は人と話すのが好きです」
- OK:「私は相手の話を深く聞くことを心がけ、サークルではメンバーの定着率を高めました。この経験を営業活動にも活かしたいと考えています」
➡ 会社が求めるスキルや価値観に寄せて書くことが大事。
志望動機のカスタマイズ例
地域密着企業を志望する場合:
- NG:「成長できる環境に惹かれました」
- OK:「地域の方々に寄り添う御社の姿勢に共感しました。地元に育ててもらった私も、御社を通じて地域の活性化に貢献したいと考えています」
➡ 企業の特性や事業内容を調べた上での理由が必要です。
学生さんとのリアルエピソード
ある年、私のもとに届いたエントリーシートで、全員同じ志望動機が書かれていたことがありました。
「御社の安定した基盤と成長性に惹かれました」
……正直、誰の文章か見分けがつきませんでした。
一方で、こんな学生さんもいました。
「地元で暮らす祖母が、御社のサービスを利用してとても助かっていました。その経験から、自分も地域に根差して人の役に立ちたいと強く思うようになりました」
これはもう、一読して印象に残りました。“その人ならでは”の理由があるからです。
企業研究の深さが伝わる自己PR・志望動機は強い
採用担当が「おっ」と思う文章には共通点があります。
- 会社説明会で聞いたことを具体的に盛り込んでいる
- ホームページにある社長メッセージや事例を引用している
- インターンやOBOG訪問で得た情報が反映されている
つまり、「この会社だからこそ言える言葉」が入っているんです。
逆に言うと、企業研究をしていない文章はすぐに見抜かれてしまいます。
よくある質問(Q&A)
Q. 自己PRと志望動機は同じ強みを使ってもいい?
A. OKです。ただし、自己PRでは「強みそのもの」を、志望動機では「だから御社で活かしたい」とストーリーを変えるのがコツです。
Q. 志望動機がどうしても思いつかない時は?
A. まず「業界を選んだ理由」と「その中で御社を選んだ理由」を分けて考えると書きやすくなります。
Q. 面接で言葉に詰まったら?
A. 無理に暗記した文章をそのまま話す必要はありません。自分の言葉で熱意を伝える方が好印象です。
まとめ:自己PRと志望動機は“ラブレター”
就職活動は、いわば企業への「ラブレター」。
- 自己PRは「私はこんな人です」
- 志望動機は「だから御社を選びました」
この2つが揃って初めて、採用担当の心に響きます。
どうか皆さんも、「当たり障りない作文」で終わらせず、あなたにしか書けないストーリーで挑んでくださいね。
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