真面目なだけでは内定はもらえない?採用担当ルトが出会った学生のエピソードから

こんにちは、採用担当のルトです。
就職活動をしている学生さんから「自分は真面目に努力しているのに、なかなか結果が出ません」という声をよく聞きます。

もちろん、真面目さは大切です。社会に出ても必ず役立ちますし、仕事を続けるうえでの基盤にもなります。
でも――正直に言うと、「真面目なだけ」では企業からの内定を勝ち取るのは難しいんです。

今日は、私が実際に出会ったある学生のエピソードをもとに、「なぜ真面目さだけでは足りないのか」、そして「どうすればバランスの取れた魅力を伝えられるのか」をお話ししていきます。

すべてのイベントに参加してくれた学生

今から数年前の採用活動のことです。
夏休みに1週間のインターンシップを開催したとき、一人の男子学生が応募してきました。

その後、彼は私たちが実施する 1dayインターンシップ会社説明会学生向け座談会――ありとあらゆるイベントに、毎回欠かさず顔を出してくれました。

本当に毎回です。

私は担当者としてその熱意がとても嬉しくて、「ここまで当社に関心を持ってくれるなんて、ありがたいな」と思いました。
彼の真面目さや誠実さは、どの場面からもひしひしと伝わってきました。

それでも「不合格になるかもしれない」と感じた瞬間

ところが、ある時ふと、私は気づいてしまったんです。

「この子、最終的には不合格になってしまうかもしれないな」

なぜそう思ったのか?
理由は単純で、彼には「真面目さ」以外の魅力があまり見えてこなかったからです。

例えば、グループワークの場面。
彼は常に一生懸命取り組むのですが、自分の意見を言うよりも他人の話にうなずくことが多い。

ディスカッションが盛り上がるときも、最後に「そうですね」とまとめる役割で止まってしまう。
つまり、受け身の姿勢が目立ってしまったんです。

「真面目さ」だけでは評価が難しい理由

採用活動で企業が見ているのは、「この人と一緒に働けるか」「入社後に活躍できそうか」という視点です。

もちろん、真面目に努力する人は評価されます。
ただし、仕事の現場では次のような力も欠かせません。

  • 自分の考えを整理して伝えるコミュニケーション力
  • 予想外のことにも対応できる柔軟性
  • 仕事を待つのではなく動ける主体性(自発性)

どれも当たり前に聞こえるかもしれませんが、これらが備わっていないと、どれだけ真面目に努力しても「一緒に働く仲間」としては心配になってしまうんです。

採用担当のもどかしさ

実際、その学生を見ていて「もっと自分に合った企業を探したほうがいいのでは?」と思った瞬間がありました。

ただ、もちろんそんなことを本人に伝えることはできません。
採用担当としては最後までフラットに見届けなければなりませんし、面接の場で急に化ける学生もいます。

でも、残念ながら彼は予想通り不合格となりました。
その結果を知ったとき、彼の努力をずっと近くで見ていただけに、心の中ではとても複雑な気持ちでした。

「真面目なだけでは足りない」を学生に伝えたい

ここで誤解してほしくないのは、真面目さを否定しているわけではないということです。

むしろ真面目さは、仕事を長く続けていく上で最大の武器になります。
遅刻をしない、任されたことをきちんとやる、責任感を持って仕事に向き合う――これは社会に出てから大きな信頼につながります。

でも、採用の場では「即戦力として活躍できそうか」を見られます。
そのときに、真面目さ以外のアピールポイントが不足していると、どうしても評価が伸びないのです。

真面目さを「活かす」ための3つの工夫

じゃあどうすればいいのか?
私が学生さんにいつも伝えているのは、「真面目さに他の要素を掛け算してほしい」ということです。

① 真面目さ × 発信力

ただ一生懸命やるだけでなく、「自分はこう考えています」と発信する。
たとえばグループワークで「私はこう思いますが、どうですか?」と一言添えるだけでも印象は変わります。

② 真面目さ × 柔軟性

予定外のことが起きても、表情や態度を崩さずに対応する。
「状況に合わせて考え方を切り替えられる人だな」と思ってもらえます。

③ 真面目さ × 自発性

誰かに言われてから動くのではなく、自分から小さな役割を拾ってみる。
「じゃあ、私がメモをまとめますね」と一歩踏み出すだけで、主体性をアピールできます。

真面目さを「伝える」練習をしてほしい

意外と見落とされがちなのが、「自分の真面目さを伝える力」です。

面接官はエスパーではありません。
どれだけ真面目に努力していても、それを言葉や態度で表現できなければ、相手には伝わらないんです。

「私は真面目に取り組むタイプです」と言うだけでは弱いので、
「研究の実験でデータが思うように出なかったときも、半年かけて記録を取り続けた結果、教授から根気強さを評価されました」など、具体的なエピソードを添えると説得力が増します。

まとめ:大切なのは“バランス”

最後にもう一度整理します。

  • 真面目さは社会に出てからの大きな武器。
  • でも、採用の場では「真面目さだけ」では不十分。
  • コミュニケーション力、柔軟性、主体性とのバランスが問われる。

就職活動は、自分の持ち味を最大限に伝えるトレーニングの場でもあります。
「自分は真面目だから大丈夫」と安心するのではなく、+αの魅力をどう伝えるかを考えてみてくださいね。

真面目さを軸にしながらも、人柄の幅を見せられる学生は、必ずどこかで輝きます。
あなたもぜひ、日常の小さな経験から成長のヒントを拾って、就活に活かしていってください。

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