こんにちは、ルトです。
今日は少し重めのテーマ、「進級不可(留年)」についてお話しします。大学生活において「進級できない」というのは、本人にとっても大きな衝撃です。履修の遅れや体調不良、家庭の事情など背景はさまざまですが、就職活動を控えている学生にとっては「これは就活に不利になるのでは?」と強い不安を抱くことも多いものです。
結論から言えば、「進級不可=就職活動ができない」ではありません。ただし、その事実をどう受け止め、どう説明するかによって評価は変わります。
学生からの一本の電話
少し個人的なエピソードを交えます。
ある日、就職活動の相談を受けていた学生から、突然一本の電話がありました。
「ルトさん……僕、進級できませんでした。」
声は震えていて、沈黙の時間が続きました。私は新人の採用担当として、どう返してあげるのが正しいのか少し迷いましたが、とにかく彼の話を最後まで聞くことにしました。
彼は必修科目を落としてしまい、進級条件を満たせなかったとのこと。アルバイトやサークル活動との両立に追われ、気づけば取り返しのつかない状況になっていたのです。
私はゆっくりと声をかけました。
「進級できなかったことは確かに大きなことだと思う。でも、それで人生が終わるわけじゃないし、就職活動ができなくなるわけでもないよ。大事なのは、どう受け止めて、どう行動するかだから。」
電話の向こうで、彼が少しだけ安堵の息を漏らしたのを今でも覚えています。
その後、彼は大学を卒業することはできず、最終学歴は「高卒」となりました。しかし、それを隠さず正直に伝え、自分の経験から学んだことを誠実に語ったことで、採用の場ではむしろ「失敗を力に変えられる人」として評価されました。
結果的に、彼は希望していた企業から内定を得て、社会人としての一歩を踏み出しました。
この経験を通じて、私自身も「学歴そのものより、その人の歩み方や誠実さが評価される」ということを強く実感したのです。
「進級不可」はどのような状況で起こるのか
進級不可と聞くと「勉強不足」と思われがちですが、実際にはいくつかの背景があります。
1. 単位不足
もっとも多いのは、必修科目を落として条件を満たせなかったケース。特に専門科目を取り逃すと翌年以降の履修に影響が出やすく、進級不可になりやすいです。
2. 体調や家庭の事情
病気や家庭の事情によって学業が後回しになった場合もあります。この場合、努力不足ではなく環境要因が大きいため、正直に説明すれば理解を得やすいです。
3. 学業以外への注力
部活動やアルバイトに熱中しすぎた結果、進級条件を満たせなくなる学生もいます。この場合は「ただ遊んでいた」と受け止められる危険がありますが、「挑戦や経験の一環」として語ればプラスに転じる可能性もあります。
4. 制度的要因
大学によっては進級条件が厳格に設定されていることもあります。「○年次終了までに△単位必修を修得していなければ進級不可」など。必ずしも学力不足とは限りません。
就職活動への影響
進級不可は履歴書やエントリーシートに「留年」「卒業予定変更」として記載する必要があるため、説明を求められることは避けられません。しかし、多くの企業が重視しているのは 「理由」と「そこからの学び」 です。
先ほどの学生のケースでも、彼は面接で「履修計画の甘さから必修を落としてしまいましたが、翌年は計画を見直し、成績も向上しました」と説明しました。結果的に「反省し、改善できた人」として評価され、無事に内定を獲得しています。
ケース別:説明の仕方
単位不足のケース
「履修計画の甘さが原因でしたが、その経験から計画性の重要さを学び、以降は綿密に計画を立て直し改善しました。」
体調や家庭の事情
「体調不良により学業に支障が出ましたが、現在は生活習慣を見直して安定しており、再発防止の工夫を続けています。」
学業以外に注力した場合
「サークル活動に熱中しすぎて進級できませんでしたが、そこで培ったリーダーシップや調整力は今も活かされています。」
いずれも、反省+改善+学び の3点セットで語るのがコツです。
面接官が見ているポイント
- 言い訳せず、誠実に説明しているか
 - 現在は同じ問題が解消されているか
 - 経験を成長に結びつけて語れるか
 
企業が知りたいのは「進級不可の事実」そのものではなく、「その経験をどう受け止めたか」です。
就活に向けてできること
- エントリーシートは簡潔に
「進級不可の理由+改善+今後の姿勢」を短くまとめましょう。 - 面接では具体例を出す
実際にどう改善したか、行動に落とし込んで説明できると説得力が増します。 - 他の強みを前面に出す
留年にばかり焦点が当たらないよう、学業・課外活動・スキルの実績を強調しましょう。 
まとめ:進級不可は終わりではない
冒頭の学生の話をもう一度思い出します。電話越しに「進級できませんでした」と告げた彼は、その後、自分の失敗を正面から受け止め、努力を積み重ねて内定を得ました。
進級不可は確かに大きな出来事です。しかし、それを「ただの失敗」として終わらせるのか、「成長のきっかけ」として活かすのかで、未来は大きく変わります。
就職活動では、過去の出来事そのものよりも「そこから何を学んだか」が問われます。だからこそ、誠実に、前向きに語れる準備をしておきましょう。
  
  
  
  
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