こんにちは、新卒採用担当のルトです。
面接を担当していると、学生からよく「面接官ってわざと意地悪な質問をしてきますよね?」と聞かれます。
確かに、就職活動の場では「これは一体どう答えれば正解なんだろう?」と戸惑う質問に出会うことがあります。
中には、あえて学生の反応を探るために「意地悪な質問」を投げかける面接官もいます。
例えば、代表的な質問のひとつがこちら。
「上司から理不尽なことを言われたらどうしますか?」
ストレス耐性やコミュニケーション力を見るための質問だと言われますが、実際には「模範解答」が存在しない問いかけです。
下手に答えると角が立つし、正直に言いすぎてもリスクがある。そんな微妙なバランスをどう取るか――ここに学生の力量が表れます。
今日は、私が面接の現場で実際に出会った忘れられない“名迷回答”を紹介しながら、「意地悪な質問」への向き合い方をお話ししていきます。
忘れられない、ある学生の返答
ある年、私は最終面接に同席していました。
その場で、例の「理不尽なことを言われたら?」という質問を投げかけてみたんです。
すると、一人の女性学生が少しだけ考え込んでから、ニコッと笑ってこう答えました。
「とりあえず頭の中で、ボコボコにしておきます(笑)」
……一瞬、面接官全員が驚きました。
「まさかそんな答えが返ってくるとは!」という衝撃。
でも、彼女はそこで終わらず、すぐに冷静なフォローを入れたんです。
「でも、実際には感情を出さずに、なぜ理不尽だと感じたのかを整理して、冷静に伝えられるよう努力します。」
この回答には、ユーモアと本音、そして現実的な対応力が絶妙にバランスされていました。
笑いを誘いながらも「社会人としての冷静さ」を忘れていない。そんな姿勢に、面接官一同が「お、この学生はただ者じゃないな」と感じたのを覚えています。
面接官が“意地悪な質問”をする本当の理由
では、なぜ企業はこうした答えづらい質問をわざと投げかけるのでしょうか?
人事の立場から説明すると、主に次の3つを見ています。
- とっさの反応力
予想外の質問に対して、どのくらい落ち着いて対応できるか。 - 感情コントロール
理不尽な状況でも冷静さを保てるか。 - 人間らしさ
「はい、分かりました」だけでなく、自分なりの価値観を示せるか。 
つまり、答えそのものに正解はなく、反応の仕方や姿勢を見られているんです。
学生がよくやってしまうのは「正論すぎる答え」や「無難すぎる答え」。これでは印象に残りません。
学生が失敗しやすい3つのパターン
意地悪な質問に挑むとき、つい陥りがちな失敗例を紹介します。
- ① 感情的すぎる返答
「そんな上司とは働きたくないです!」とストレートに言ってしまう。気持ちは分かりますが、協調性に欠ける印象を与えてしまいます。 - ② 正論オンリーの模範解答
「しっかり話し合って解決します」とだけ答える。悪くはないですが、人間味がなく、印象に残りません。 - ③ ユーモアが嫌味に変わるケース
「理不尽なことを言う上司は無能だと思いますね(笑)」など。場の空気を和ませるつもりが、逆に敵意として受け取られる危険性があります。 
高評価につながる答え方のコツ
じゃあどうすればいいのか?
私の経験から、以下の3ステップを意識すると良いです。
- まずは軽いユーモアや本音を交える
「心の中ではちょっと愚痴りますね(笑)」など。人間らしさを見せる。 - 冷静さや理性的な対応を示す
「ただし実際には、一度落ち着いて整理してから伝えるようにします。」 - 前向きな姿勢で締める
「理不尽なことにも必ず理由があると思うので、理解を深めるチャンスにしたいです。」 
この流れで答えると、面接官は「ユーモアもあるし、冷静に物事を処理できる」と感じやすいんです。
ユーモアは“さじ加減”が命
ここで注意してほしいのが、「ユーモア」と「ふざける」の境界線です。
学生がやりがちなのは、ウケを狙いすぎて場を崩してしまうこと。
あくまで面接は“選考の場”です。笑いを取るのが目的ではなく、人柄を伝える手段としてユーモアを使うことが大切です。
冒頭で紹介した学生のように、「ボコボコにする」という言葉をユーモラスに使いつつ、その後に冷静な対応を添える――これが絶妙なバランスでした。
「正解を探す面接」から「自分を見せる面接」へ
多くの就活生が、「面接では模範解答を言わなきゃ」と思い込んでいます。
でも実際には、少し人間らしい答えの方が印象に残ることも多いんです。
もちろん、ふざけすぎたり、場の空気を壊すのはNGです。
でも、「ちょっと本音」「ちょっとユーモア」を交えて誠実に答えると、「この学生と一緒に働いたら面白そうだな」と思わせることができます。
まとめ:意地悪な質問はチャンスでもある
「上司から理不尽なことを言われたらどうする?」
この質問に完璧な正解はありません。
でも、自分の人柄や価値観を伝えるチャンスだと考えると、意外と怖くないんです。
ユーモアをほんの少し交え、冷静さと前向きさを示せば、他の学生と差がつきます。
面接官は「あなたという人間」を見たいのです。
就活は正解を探すゲームではなく、自分をどう表現するかの勝負。
次に意地悪な質問が来たら、「ちょっと面白く、ちょっと冷静に」挑んでみてくださいね。
あなたなら、どう答えますか?
  
  
  
  

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