こんにちは、リクです。
採用担当として学生のみなさんと関わっていると、「オワハラ(就活終われハラスメント)」の話題を耳にすることが本当に多くなりました。
オワハラとは、企業が内定を出した学生に対して「もう就活をやめろ」「他社を辞退しろ」と圧力をかけたり、内定承諾を異常に急がせたりする行為のことです。
学生からすると「怖い」「理不尽だ」と感じるものですが、企業の立場に立ってみると、実はそうせざるを得ない背景もあるのです。
今日はその「本音」と、学生としてどう対応すればいいのかについて、採用担当者の目線から率直にお話しします。
オワハラが起こる背景を理解しよう
まず大前提として、企業は採用活動に多大な時間とお金を投じています。
広告掲載料、説明会の開催費、選考にかかわる社員の工数…。中小企業であれば、それだけで会社の負担は大きく、採用の失敗は経営に直結します。
例えば「今年は2人だけ採用したい」と考えている会社で、内定を出した学生が辞退すれば、すぐに次の候補を探さなければなりません。そうしないと、配属予定部署の人員計画が崩れるからです。
つまり、企業が「早く返事を」と急ぐのは、学生を困らせたいのではなく、会社の存続に関わるから。これがオワハラにつながる根本的な背景なのです。
内定承諾期限が短すぎる企業の事情
よくあるケースが「内定承諾期限を1週間以内に設定する」というパターン。
学生からすると「そんな短期間で決められるわけない」と思うでしょう。
でも企業側は、
- 内定を出した学生が本当に来るのか不安
 - 辞退された場合、次の候補者にすぐ動きたい
 - 採用人数が限られており、調整に失敗すると大損失
 
といった切実な事情を抱えています。
実際、私も過去に「承諾期限を早めに」とお願いせざるを得なかったことがあります。特に地方の企業や採用枠が少ない企業では、1人の辞退が大きな痛手になるため、期限を短めに設定するのです。
「他社を辞退して」と言う企業の本音
さらに厄介なのが、「他社の選考を辞退してほしい」と迫るケースです。
これには主に3つの理由があります。
- 採用枠が少なく、辞退リスクを避けたい
 - 学生が複数の企業に応募していると「どうせ辞退するのでは」と不安になる
 - 早く人数を確定させたい
 
私自身も、学生に「うちが第一志望ですか?」と確認したことがあります。正直に言えば、辞退されると困るからです。
ただし、ここで「他社を辞退しろ」と強要する会社は要注意。
入社後も「転職活動は許さない」「意見を言わせない」など、学生を縛りつける社風が透けて見えることもあります。
実際にあったオワハラのエピソード
ある年のことです。
最終面接を通過した学生に内定を出した際、上司が「他社の選考はすぐに辞退してもらえ」と強く求めました。
その学生は誠実で、正直に「他社も受けたい気持ちがあります」と伝えてきました。
私は彼の意思を尊重したいと思いましたが、会社の事情もあり板挟みに…。結局、その学生は他社に進みましたが、正直ホッとした部分もありました。
なぜなら、強制的に囲い込んで入社しても、お互いに不幸になる可能性が高いからです。
オワハラに直面したらどうすべきか?
学生としてできる対応を整理します。
- やんわり断る
「他の企業も見て最終的に決めたいです」と柔らかく伝える。 - 承諾期限を延ばす
「家族と相談したい」「キャリアセンターと相談したい」と言えば、多少の延長は可能。 - 本音を隠さず誠実に伝える
「御社に興味はあるが、他社も見てから決めたい」と伝える勇気も大事。 
ここで大切なのは、感情的にならずに「自分の将来を真剣に考えている姿勢」を見せることです。
企業もまた不安を抱えている
オワハラをしてくる企業は、裏を返せば「学生に辞退されるのが怖い」企業でもあります。
採用に失敗すると、人員不足で事業に支障が出ることもあるからです。
つまり、学生と企業は「お互いに不安を抱えた関係」なんです。
この構造を理解すると、少し冷静に対応できるのではないでしょうか。
まとめ ― 自分の人生は自分で選ぶ
オワハラは、学生にとって強いストレスになる行為です。
ただし、その背景には企業の事情や不安もあることを理解しておくと、少し冷静に受け止められるはずです。
- 内定承諾期限が短いのは企業の事情もある
 - 「他社を辞退して」は危険なサイン
 - 自分の将来を守るために、やんわりと断り、冷静に判断する
 - 最後に選ぶのは、あなた自身
 
就職活動は「相手に選ばれるもの」でもありますが、同時に「自分が選ぶもの」です。
焦らず、冷静に、自分にとって本当に納得できる選択をしてください。
  
  
  
  

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