就活アカウントは企業にどう見られている?採用担当リクが語る「SNS就活の落とし穴」

こんにちは、リクです。
ここ数年で、就活生の間では「就活アカウント」をX(旧Twitter)などで運用するのが当たり前になってきましたね。

選考の進み具合を報告したり、インターン情報を共有したり、気軽に愚痴を吐き出したり。
リアルな友達や家族には言いづらい就活の悩みも、SNSなら同じ立場の人たちと共有できる。これは確かに大きなメリットです。

ただ、ひとつ忘れてはいけないことがあります。
「就活アカウントは学生だけの閉じた世界ではない」ということ。
企業の人事担当者、つまり僕のような立場の人間も、あなたが発信した情報を目にする可能性があるのです。

匿名だから大丈夫?意外と特定される就活アカ

多くの学生は「就活アカは匿名だから絶対にバレない」と思っています。
でも実際は、意外と簡単に特定できてしまうケースがあります。

  • 投稿のタイミングと選考スケジュールが一致している
  • アイコンやプロフィールに、その人を連想させる要素が含まれている
  • 投稿の中に「専攻」「出身大学」「受けている業界」の情報が散りばめられている

こうした断片的な情報を組み合わせれば、「あれ?この学生、先週うちの面接に来てなかった?」と気づくのは難しくありません。

実際、ある人事担当者はこう話していました。

「内定を出すかどうかを検討していた学生のアカウントを偶然見つけてしまった。そこには企業批判や、面接内容の暴露が書かれていて…最終的に“見送り”になった」

学生からすれば「愚痴を書いただけ」のつもりでも、企業から見れば「社外秘を漏らす人材」と映ってしまうんですね。

企業はどこまでSNSを見ているのか?

ここで気になるのは、「企業は本当に学生のアカウントをチェックしているのか?」ということだと思います。

結論から言うと、すべての企業がやっているわけではありません
ただし、以下のケースではSNSを調べることがあります。

  • 内定候補者を最終判断する段階で、人となりを再確認したいとき
  • 企業に関する投稿が拡散され、炎上しかけている場合
  • 応募者が多く、選考で差をつける判断材料が欲しい場合

つまり「100%安全」ではないんです。
公開されている情報は誰でも見られる以上、「企業も見ているかもしれない」という前提で運用する必要があります。

情報収集ツールとしての価値も大きい

もちろん就活アカウントはリスクだけではありません。
むしろ、情報収集の面では非常に有効です。

  • 先輩が投稿するインターン体験談
  • グループディスカッション(GD)の雰囲気やテーマ
  • 企業説明会のリアルな感想
  • 選考スケジュールの共有

こうした情報は、公式サイトや就活本だけでは絶対に得られないものです。
特に「他の学生がどう動いているのか」を知ることで、自分の立ち位置を客観的に把握できるのは大きなメリット。

実際、僕が話した学生の中には「SNSで情報を集めていたからこそ、一次面接の雰囲気が分かって安心できた」と言っていた人もいました。

大切なのは、「見られているかもしれない前提で使う」という意識です。

SNSリテラシーは評価対象になりつつある

ここ数年、企業は応募者のSNSの使い方そのものを評価材料にし始めています。
理由はシンプル。入社後、顧客や社外とやり取りするうえで、SNSリテラシーは欠かせないからです。

たとえば、こんな投稿があればどう見えるでしょうか?

  • 他人や企業を攻撃するような言動
  • 不用意に個人情報をさらす投稿
  • 選考内容をそのまま暴露するツイート

企業からすると、「この学生に仕事を任せたらリスクがあるかもしれない」と判断せざるを得ません。

逆に、就活仲間に役立つ情報を冷静にまとめたり、前向きに活動を記録しているアカウントは「きちんと自己管理できる人」という印象につながります。

「愚痴くらい言わせてよ」は通用する?

就活はストレスが多い活動ですから、愚痴を言いたくなる気持ちはよく分かります。
ただ企業の立場からすると、「愚痴=不満が表に出やすい人」と映ってしまうことがあります。

これは「正しい・間違っている」という話ではなく、評価する側の視点の問題です。
企業は「この学生にお客様との対応を任せられるか」という目線で見ています。

もし愚痴を吐き出したいなら、完全にクローズドな環境(親しい友人だけのチャットなど)でやるほうが安全です。

就活アカを安全に運用するためのポイント

最後に、就活アカを使ううえでの具体的な工夫を整理しておきます。

  1. 個人を特定できる情報は極力出さない
     大学名、専攻、地域、特徴的な活動などを積み重ねると特定されやすくなります。
  2. ネガティブな投稿はフィルターをかける
     一度冷静になって「企業の人に見られても大丈夫か?」と自問してから投稿する習慣をつけましょう。
  3. 情報発信は「仲間への貢献」を意識する
     体験談や学びを整理して発信すると、自分の言語化スキルも高まります。
  4. 鍵アカ運用でも油断しない
     相互フォロー関係から情報が漏れることは珍しくありません。

まとめ:就活アカは「もう一つの履歴書」

就活アカウントは便利なツールです。
情報収集や仲間づくりの面では大きな力を発揮します。

でも同時に、あなたの人柄やリスク管理能力を企業に示す場にもなり得ます。

匿名だから安全と思うのは大きな勘違い。
就活アカは、もはや「もう一つの履歴書」と考えるくらいがちょうどいいのです。

自分の首を絞める使い方をするのか、それとも就活力を高める武器にするのか。
その違いを生むのは、あなた自身のSNSリテラシーなのです。

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