こんにちは、リクです。
採用担当をしていると、毎年たくさんの学生と出会います。
説明会、エントリーシート、面接、インターン——その中でも、私がいつも「うーん」と考えさせられるのが、グループディスカッション(GD)です。
「学生の主体性や協調性を見たい」
「リーダーシップを評価したい」
「議論の中での思考力を知りたい」
そういった“建前”の目的はもちろんわかります。
でも、正直なところ。
グループディスカッションって、本当に学生を正しく評価できているのか?
採用担当として何度も実施するたびに、そんな疑問が頭をよぎるんです。
🤔 GDで目立つのは、いつも「わかりやすいタイプ」
GDをやると、毎回のように目立つ学生がいます。
- 議論を自然にリードして進行していく人
- メンバーの意見を整理してまとめる人
- グループの代表として堂々と発表する人
彼らは確かに目を引きます。
リーダーシップ、発言力、論理的思考。
評価シートにも書きやすく、「この学生は優秀そうだな」と印象に残りやすい。
でもその一方で、静かに周りを支えている学生や、発言のタイミングを慎重に見計らっている学生が、評価の影に隠れてしまうことが本当に多いんです。
🧩 「発言していない=評価が低い」ではない
これは、私が採用を担当していていつも感じることです。
GDの中であまり発言しない学生がいます。
でも、それは「考えていない」わけではありません。
むしろ、話をじっくり整理して聞き、必要な瞬間に的確な意見を出すタイプも多い。
ただ、問題は——。
数十分という短い時間では、その“思考の深さ”を見抜けないということなんです。
面接のように個別に質問できる場ではないので、
「なぜそう考えたのか」「どんな背景をもっているのか」までは掘り下げられない。
結果として、“見える力”がある学生が高評価を受け、
“内側で支える力”を持つ学生が埋もれてしまうこともあります。
⚙️ 実は「効率重視」でやっている一面もある
ここだけの話、採用担当としてのリアルを言うと、
GDを取り入れる理由のひとつは効率です。
たとえば、
- 一日で30人、40人の学生を見ないといけない
- 一人ひとりの面接を行う時間が取れない
- 限られたリソースで、ある程度の“傾向”を掴みたい
そんな現実的な理由で、GDを実施する企業も少なくありません。
GDは、複数の学生を同時に見られるうえに、議論の進め方・発言の内容・チームワークが一度にチェックできる。
確かに“効率の良い選考方法”です。
ただし、その便利さの裏で、
「本来評価されるべき学生」を見逃している可能性も常にあります。
💬 私が見ている「評価ポイント」
GDの評価をしているとき、私は単に「発言数」や「リーダーシップ」だけでは見ていません。
意識しているのは、次のようなポイントです。
- 他人の意見を受け止め、まとめようとする姿勢があるか
- 反対意見にもきちんと耳を傾けているか
- 自分の意見を押しつけず、場を前に進められるか
- チームの空気を壊さず、冷静に調整しているか
つまり、「誰が一番目立ったか」ではなく、
「チームにどんな影響を与えていたか」を見たいんです。
でも、それを短時間で正確に判断するのは本当に難しい。
だからこそ、「GDだけで学生を判断するのは危険だ」といつも思っています。
💡 GDで“化ける”学生もいる
とはいえ、GDがまったく意味のないものだとは思いません。
中には、グループディスカッションで本領を発揮する学生もいます。
普段は控えめだけど、議論の中で突然、鋭い視点を提示してくれる人。
意見がぶつかって混乱しかけたチームを、さりげなく落ち着かせる人。
「誰もまとめないなら、自分がやろう」と瞬時に動ける人。
そういう学生に出会うと、
「ああ、この子は本当に現場でも力を発揮するタイプだな」と感じます。
GDは、一人の個性がチームの中でどう機能するかを見る場でもある。
だから、決して“無意味”ではない。
ただし、それを“合否のすべて”にしてしまうのは違う——そう思っています。
🧠 GDが苦手な学生へ伝えたいこと
もしこれを読んでいる学生の中に、
「GDが苦手なんです…」「発言のタイミングがつかめない」という人がいたら、声を大にして言いたい。
無理に目立とうとしなくていい。
GDで大事なのは、チームをどう良くするかを考える姿勢です。
自分が話さなくても、誰かの意見を拾って深掘りする、
議論が迷走していたらテーマに戻す、
メンバーが言葉を詰まらせたらフォローする。
そんな「見えにくい貢献」も、見ている採用担当はちゃんと見ています。
大切なのは、“自分らしい関わり方”を見つけること。
無理にリーダーを演じるより、チームを支える誠実さのほうが、ずっと印象に残ることもあります。
🪞 採用担当としての葛藤
GDの評価を終えたあと、採用チームの中でこんな会話をすることがあります。
「あの学生、発言少なかったけど、内容はすごく良かったよね」
「リーダー役の子が強すぎて、他の人が話しづらそうだった」
「静かに聞いてる子のノート、めちゃくちゃまとめ上手だった」
評価シートには残せない「印象」や「雰囲気」が、実はその学生の本質を表していることもある。
だから私は、GD後のフィードバック面談や次の面接で、
「GDではどんなことを考えていた?」とよく聞きます。
その答えで「この子は本当は深く考えていたんだな」と気づかされることが多い。
やっぱり人って、数十分では測りきれないものを持っているんです。
🧭 組織はリーダーだけで成り立つわけじゃない
企業に入ると、全員がリーダーになれるわけではありません。
むしろ、実務の現場では「支える力」「つなぐ力」「整理する力」が本当に重要です。
チームを引っ張る人がいて、
全体を支える人がいて、
意見を翻訳してつなげる人がいて、
初めて“組織”は機能します。
GDでリーダータイプだけが評価されてしまうと、
そうした「縁の下の力持ち」が埋もれてしまう。
でも、私はそういう学生を見逃したくない。
だから、GDではリーダーだけじゃなく“チーム全体の空気”を見ています。
誰が誰を支えていたのか、誰が空気を変えたのか。
その“見えない貢献”にこそ、人としての強さがあると思うからです。
✅ まとめ:GDは「便利」だけど「万能」ではない
- GDは多くの学生を一度に見る“効率的な手段”
- でも短時間では、学生の本当の個性までは見えにくい
- 発言の多さだけが評価基準ではない
- チームを支える力、聞く力も大切な評価軸
- 組織はリーダーだけでなく、多様なタイプで成り立つ
採用担当として、これからも「効率」と「公平」の間で悩み続けると思います。
でも、その悩みこそが、採用という仕事の奥深さなんだと感じています。

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