【内定辞退】早めに、そして正直に伝えてください

こんにちは、採用担当のルトです。

就職活動をしていると、複数の企業から内定をもらうこともありますよね。
第一志望をどうするか、迷いながら考えるのは自然なことです。

ただし、ここで忘れてはいけないのが 「内定辞退の伝え方」
これは学生にとっても企業にとっても大切なポイントなんです。

今日は、実際に私が経験した「内定辞退を伝えてもらえなかったケース」をお話ししながら、なぜ「早めに」「正直に」伝えることが重要なのかを考えていきたいと思います。

内定後に起こった“不可解な出来事”

ある年の採用活動でのことです。
とある学生に内定を出し、「ぜひ当社に来てほしい」と心から思いました。

その思いを伝えるために、入社予定者と先輩社員の交流会を企画しました。
案内を送ると、学生からは「内定を承諾します」との返答が。

「それなら、当日に承諾書を持ってきてね」

とお願いしました。

ところが、交流会当日――
「すみません、忘れてしまいました」と言われたのです。

「じゃあ郵送でも大丈夫だよ」と伝えました。

しかし、その後も承諾書は届かないまま…。
ここから、少しずつ“違和感”が大きくなっていきました。

連絡が取れない恐怖

交流会では「承諾します」と言ってくれたのに、書面は届かない。
モヤモヤした気持ちを抱えながらも、内定式が近づいてきたため、私は再度連絡を入れました。

  • 郵送 → 返信なし
  • 電話 → 出ない
  • メール → 返事なし

ここまで来ると、採用担当としては正直「どういうこと?」と不安になります。

ようやく内定式前日に電話がつながり、「出席します」との返答。
胸をなでおろしたのも束の間、当日――彼は現れませんでした。

再び連絡がつかなくなり、最終的には大学を通じて事情を確認することに。
そして、ようやく真実が分かったのです。

明らかになった理由

大学から伝えられた学生の言葉は、こうでした。

「他社にも内定承諾をしてしまい、そちらに行くことに決めました。
でも先に御社に承諾の意思を伝えてしまったので、言い出せませんでした…。」

その瞬間、私は「なるほど」と思うと同時に、深い疲れを感じました。

辞退自体は悪いことではありません。
むしろ、自分に合った企業を選ぶことは大切ですし、就職活動の本来の目的でもあります。

でも――問題は、「言い出せなかったから連絡をしなかった」という点です。

企業から見た「連絡がないこと」の影響

学生からすれば、「一社に断りを入れるくらい、そんなに大ごとじゃない」と感じるかもしれません。
でも、企業にとっては全く違います。

  • 内定者向けのイベント準備
  • 先輩社員のスケジュール調整
  • 配属計画の検討

こうしたことはすべて、学生の「承諾」を前提に動いています。
そのうえで急に来なくなる、連絡が取れないとなれば、想像以上に大きな影響が出るんです。

そしてもう一つ。
「この学生は、社会人になってからも大事な連絡を後回しにするのでは?」と不安に思わざるを得ません。

内定辞退は悪くない。でも“遅い辞退”はリスクになる

誤解しないでほしいのは、辞退すること自体は決して悪いことではないという点です。

むしろ、自分に合わない企業に無理に入社するほうが、その後のキャリアにとってマイナスになる可能性があります。

ただし、問題は 伝えるタイミングと姿勢 です。

  • 早めに伝えれば、企業も採用計画を立て直せる
  • 正直に伝えれば、企業も納得して受け止められる

逆に、連絡が遅れると「信頼できない人」という印象を与えてしまいます。
それは、その企業だけでなく、将来的に別の場面でつながる可能性のある業界全体に悪影響を及ぼすかもしれません。

学生が感じる「辞退を伝えづらい理由」

では、なぜ多くの学生が辞退を伝えるのをためらうのでしょうか?

私が面談で聞いたことのある理由を挙げてみます。

  1. せっかく内定をもらったのに、申し訳ない
  2. 断ったら怒られるのではと不安
  3. 「理由を詳しく聞かれるかも」と思うと怖い
  4. 先延ばしにしていたら、余計に言い出しづらくなった

こうした気持ちはとてもよく分かります。
でも、だからこそ 「早めに」「正直に」 が大事なんです。

辞退を伝えるときのポイント

ここで、内定辞退を伝える際のコツを整理しておきましょう。

1. まずは電話で

メールだけで済ませる学生もいますが、基本は電話がおすすめです。
「誠意が伝わる」のは、やはり声で伝えることだからです。

2. 感謝を忘れずに

最初に「このたびは内定をいただきありがとうございました」と感謝を伝えましょう。
これだけで印象が大きく違います。

3. 理由はシンプルでOK

「他社に魅力を感じたため」「自分の将来を考えた結果」など、簡潔で構いません。
長々と言い訳をする必要はありません。

4. 決断が早いほどトラブルを防げる

辞退を伝えるのが遅くなるほど、企業も準備を進めてしまいます。
その分、お互いの負担が大きくなるので、早い決断がベストです。

勇気を出して行動することが、自分を守る

内定辞退は、言い出すのに勇気が必要です。
でも、その勇気を出したほうが、最終的には自分の将来を守ることにつながります。

逆に、連絡を先延ばしにすると、就活の最後の最後で大きなストレスを抱えることになります。
社会人になってからも、同じように「言い出せない」で困る場面が来るかもしれません。

だからこそ、就活中に「早めに」「正直に」伝える習慣を身につけてほしいのです。

まとめ:お互いにとって無駄な労力を減らすために

今日のエピソードから伝えたいことはシンプルです。

  • 辞退すること自体は悪くない
  • でも、連絡をしない・遅らせるのはトラブルのもと
  • 勇気を出して、早めに、正直に伝えよう

就活は、自分の未来を選ぶ大切な場です。
企業に遠慮する必要はありません。
ただし、お互いにとって無駄な労力をかけないようにするために、最低限のマナーとして 「早めに」「正直に」 を意識してくださいね。

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