【採用担当のホンネ】「なぜ御社でなければダメ?」就活の「軸」を企業が深掘りする本当の理由

🧭 はじめに:「就活の軸」はあなたの羅針盤であり、企業のふるい

こんにちは、リクです。

面接で必ずと言っていいほど聞かれる質問の一つが、「あなたの就活の軸は何ですか?」です。

  • 成長できる環境
  • 社会貢献性の高い仕事
  • 安定した経営基盤

皆さんの軸は、きっとこのような言葉で構成されているでしょう。しかし、面接官がこれらの回答を聞いて「なるほど」で終わることは、まずありません。必ず、「それはなぜ、うちの会社なのですか?」「他社でも実現できるのではないですか?」と深く掘り下げてきます。

なぜ、採用担当者はこれほどまでに「軸」にこだわるのでしょうか?

それは、「軸」こそが、入社後のあなたの活躍と定着、そして何よりも「入社意欲(志望度の高さ)」を測る最も重要なモノサシだからです。

このブログでは、私が転職活動で経験した「軸」の見透かされエピソードと、採用担当者が「軸」を通して見ている企業のホンネを包み隠さずお伝えします。

🚨 採用担当リクの失敗談:「この会社でもいい」が不合格に繋がった理由

これは私自身の転職活動での出来事です。

以前、ニッチな分野で将来性のある事業を展開している、ある小さな会社で面接を受けました。社長がわざわざ休日に会社を開けて面接をしてくれるなど、熱意ある対応に私はとても好感が持てました。社長の人柄や条件も申し分なく、面接での手応えも十分でした。

しかし、後日届いた結果は不合格

紹介会社経由だったため、不合格の理由を尋ねてもらったところ、社長からの回答は衝撃的なものでした。それは、**「合格基準は満たしていたが、彼(私)の『軸』は、うちじゃなくてもいいものだった」**というものでした。

私は、その会社を「ニッチな事業で成長できる、良い会社だ」と評価していましたが、心の奥底では「この会社じゃなくても、同じように成長できる会社はあるだろう」という気持ちがありました。つまり、「この会社でもいい」という部分を、社長は見透かしていたのです。

  • 社長が求めていたのは、「うちのニッチな事業でなければ、自分の成長が実現できない」と信じている、強烈な「Why Us(なぜ、うち)」を持った人材でした。

私はこの経験から、「軸」は、企業への評価ではなく、企業への「一途な愛」でなければならないと痛感しました。

🔎 企業が「軸」を深掘りする、たった一つの理由:「再現性」と「必然性」

企業が「なぜ、うちの会社なのか?」と深掘りするのは、単に熱意を知りたいからではありません。採用担当者は、あなたの「軸」を通じて、以下の2点を論理的にチェックしています。

1. 「再現性」:入社後のあなたの行動を予測するため

あなたの「軸」が明確であればあるほど、「入社後、困難に直面した時に、あなたがどう行動するか」を予測できます。

  • 軸が明確な場合: 「私の軸は『顧客の潜在的な課題を発掘し、ニッチなソリューションを提供する』ことです。御社の〇〇事業はまさにそれです」と答えれば、採用担当者は「この学生は、壁にぶつかっても、この軸(潜在課題の発掘)に基づいて自力で乗り越えるだろう」と予測します。これは、あなたの行動の「再現性」を保証します。
  • 軸が曖昧な場合: 「成長できる環境」が軸だと、「成長できないと感じたらすぐに辞めてしまうのではないか」と予測され、定着性に疑問を持たれてしまいます。

2. 「必然性」:自社で働く「運命」を感じているか

私の失敗談でもあったように、企業は「数あるうちの一社」として選ばれたいわけではありません。「この会社でなければ、自分のキャリアは成り立たない」という強い「必然性」、つまり運命的な結びつきを求めているのです。

特に、中小企業やニッチな事業を展開する企業は、この「必然性」を重視します。「大手にはない、うちの特定の課題を解決したい」というレベルの熱意がなければ、ミスマッチによる早期離職に繋がると知っているからです。

🧱 強い「就活の軸」を作るための3つのステップ

では、面接官を納得させ、「この会社じゃなきゃダメだ」と熱意が伝わる「軸」をどう作ればいいのでしょうか?以下の3つのステップで構築しましょう。

ステップ1:「WILL」の特定:抽象的な言葉具体的な欲求に変える

「成長したい」といった抽象的な言葉を、なぜそう思うのか、徹底的に深掘りしてください。

(例)

  • 抽象的軸: 成長したい
  • 深掘り: なぜ? → 「自分の市場価値を高めたいから」
  • 最終的な欲求(WILL): 「誰にも負けない専門性を身につけ、30歳で業界のキーパーソンとして認められること」

この具体的な欲求(WILL)こそが、あなたの「軸」の土台になります。

ステップ2:「CAN」との接続:過去の成功体験と事業を結びつける

あなたの過去の経験(ガクチカ)と、ステップ1で特定したWILLを結びつけます。

(例)

  • WILL: 「誰にも負けない専門性を身につけたい」
  • CAN(過去の経験): 「サークルで誰も手をつけていなかった〇〇という地味な作業をシステム化し、効率を△△%向上させた」
  • 軸への接続: 「私は、『地道だが本質的な課題を見つけ出し、仕組みで解決すること』に喜びを感じます」

この「CAN」こそが、あなたの軸の「再現性」の根拠となります。

ステップ3:「MUST」への落とし込み:「御社だけ」の理由に昇華させる

最後に、なぜその「軸」が他社ではなく、この会社(MUST)でなければならないのかを論理的に説明します。

  • 抽象的な伝え方: 「御社は成長環境があるからです」
  • 説得力のある伝え方: 「私の軸である『地道だが本質的な課題を見つけ出し、仕組みで解決すること』は、御社の【他社にはない特定のサービス〇〇】を通じて、最も深く実現できると考えました。特に、御社の【社員数XX名の規模】であれば、〇〇の仕組みをゼロから作り上げるという、大手では得られない経験ができます。これが、御社でなければならない理由です。」

このように、企業が持つ具体的な情報(サービス名、規模、社風など)と、あなたのWILLとCANを接着することで、「この会社じゃなきゃダメ」という「必然性」が生まれます。

🎭 「軸」で内定を勝ち取った学生の例

ここで、強い「軸」で最終内定を勝ち取った学生の例を紹介します。

学生の軸: 「地域特有の文化を、テクノロジーの力で全国に広めること」

彼は、大手IT企業ではなく、地方の小さな観光テック企業に絞って選考を受けていました。面接では「なぜ大手ITではないのか?」と必ず聞かれます。

学生の回答: 「大手IT企業は、普遍的なサービスを提供するのが強みですが、私の軸である『地域特有の文化』を広めるという目的においては、普遍性はむしろ障害になります。御社が【〇〇県特有の職人文化】に特化したソリューションを開発していると知り、汎用性よりも特化性を追求する御社の姿勢こそが、私の軸の実現に必然的だと確信しました。私は、地方のニッチな情熱を、テクノロジーで深く届ける仕事がしたいのです。」

採用担当者は、この回答から「自分のやりたいことが明確で、当社の事業を深く理解している」「大手に行かず、当社の特殊な事業に全力を注いでくれるだろう」という強い確信を持ち、内定を出すことになります。

✅ まとめ:就活の軸は「入社後の約束」

「就活の軸」は、面接官にとって、あなたが「入社後に何をモチベーションとして働き、どのような貢献をしてくれるのか」を確認するための、あなたとの「入社後の約束」です。

  • 企業は、あなたの「評価」ではなく、「再現性」と「必然性」を見ています。

自分のWILLとCANを深く掘り下げ、そして企業が持つ具体的な特徴(MUST)と結びつけて、「なぜ、御社でなければダメなのか」を熱く語りましょう。

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